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outasight[建築相談]

あれもこれもと様々な想いや望みでなかなか纏まらず、カタチのない理想が膨らみ続ける。施主(依頼主)はそんな大きな期待を設計者に託す。

建築設計とは施主と話し合いを重ね外側から俯瞰し、内側へ切り込み、今まで見え難くかったこと、見えていなかったことを見い出し、相応しいカタチを導き出す作業とも言えます。

当然ながら全ての要望を実現できるとは限りません。時には断念や変更を助言し、促すことも大事な使命です。ただ単に要望に応えるだけでは本質を見失うだけでなく建築物を具現化することすら難しいのです。

何はともあれ設計者とよく話し合うことが肝要です。話し合うことで設計者の人となりを見ることができるでしょう。また設計者も施主の価値観や世界観を推し量れ、提案への手掛かりとなります。 各に誂え配慮したカタチが多様な建築物を生み、街並みを形成するのです。



さて、長年使い続けていると愛着が湧いてくるもの、建築物もまた然り。しかしながらどうしても許容を超えるときも訪れる。

改修を考えるとき、施主は部分的な要因に固執していることが少なくない。設計者は話し合い(カウンセリング)を通して全体計画を見直し、問題の本質を探る。 それは時間を遡り、ストーリー変遷を確認する作業ともいえる。そこから本当に必要なことを見極め、望ましい解決案を導き出すのです。

工業製品とは違い、容易に買い替えたり取り替えたりすることは難しい。時には新築と然して変わらないほど大掛かりになることもある。しかし新築や建替えでは味わうことができない感慨がある。

利便性、将来性、改修方法、施工期間、更に経済性など総合的に勘案し再構築することが改修の本質です。



序でながら、快適さや心地よさは何処から生まれるのでしょうか。敢えてひとことで言えば、私は自然との距離感だと想っています。自然とどう折り合いを付け、また共生して行くのか。 それを素直に、また無理なく内包したものなのかもしれません。

そこに身を置けば物理的要因(機能、利便など)は表層の限られた要素であることがきっと判るでしょう。

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11oct2004